2011年03月29日

震災の教訓@ 〜液状化現象〜

未曾有の災禍をもたらした東日本大震災について、考える事は人それぞれ様々なものがあろうかと思う。

私もかつて、陸前高田の海辺の不動産について、相談を受けたことがあり、今となってはその時のアドバイスは最善のものではなかったのではないか?など、いろいろなことが胸に去来しました。



しかしながら、不動産の専門家として、災害を捉えなおした時に、いくつか記憶しておかねばならない重要なことがある。その一つが、「液状化」。

古くて新しい問題と言おうか、震災の時だけ、少しクローズアップされるが、今一つピンと来ていない方が多いのも事実。



実際、何が起きるのか?

様々な起こり方があるだろうが、海辺の浦安を例に取ると、

@杭基礎の建物は相対的に高く浮きあがる。
A道路やその他基礎に乏しい施設は沈み込む。
Bべた基礎で作られた建物は傾く。
Cマンホールは船になり、絶対高が上がり、地表に浮き上がる。
D耐震管でない水道やガスは使えなくなる。
E割れ目等から噴砂が出る。


などである。



液状化が起きる地盤は、一般にどのような地盤か。

@砂質地盤である。
A地下水位がかなり高い。
B盛り土であり、緩いこと。


@は例えば粘土質であったり、礫質であったりする場合には攪拌されにくく、なかなか液状化まで発展しない。ボーリング調査の結果を見ると、粗砂、中砂、細砂などと表記されているので、一見して分かる。

A地下水位は、簡単に何センチというものではないでしょうが、1メートル程度で水が出るのは非常に危険なのは間違いない。水が攪拌されて地上まで出てくるようではもはや支持力はないので、地下水位は液状化までの時限装置のようなもの。

B盛り土は一般に緩いわけで、基本的にどのような場合でも好ましくはないが、ある程度締め固め等の作業を行うことで改良される。埋め立てや、盛り土は建物に比べると、見て分からないものであり、それだけにいい加減な仕事と、真剣な仕事が見分けにくい。取られた対策レベルは個別性が強いでしょうからよくよく調べ、よく締め固めが行われている場合のみ、ある程度信頼できる地盤と言えると思う。



対策は?

コンクリートの人工地盤や、鋼板などを地中に巡らせるなど、ささやかな抵抗はあるが、町全体が歪んでゆくなかで一人だけ無事でいることは基本的に無理であろう。インフラの改良も市町村の長い取り組みが必要だ。

個人としては、取引をする前に、是非とも良く調べ、間違いのない土地を購入したい。ハザードマップを見ることにより、そういった被害について事前にある程度予測することができるので、これは是非よく調査しておきたいところ。

調べた結果液状化地盤である場合、取引価格等に反映させるだけでなく、そういった地盤は特段の理由がない限り、自宅の建設用地などとしては「避ける」のが正解だ。

浦安は液状化が起こり易いと長年言われてきましたが、それにも関わらず大量のマンションと戸建住宅が今まで供給されてきた。居住者は、「なんとなくは聞いていたけど真面目に考えた事はなかった」という意見が大半だと思う。

浦安はもともと危ないと言われており、大震災の前から道路がうねっていたりする位なので、今回の震災ではとても耐えきれるものではなかった。建設されてから程なくして、周囲が沈下し、浮き上がってきたマンションも知っている。

自然災害についての備えは、心構えも含め、かくも脆弱かつ安易である事は否定できない。
posted by RON at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 国土交通問題
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44032583

この記事へのトラックバック