2009年09月20日

北方領土について勉強しましょう

自民党から民主党に変わり、国家の外交戦略も大きく舵がきられようとしています。北方領土問題についても新たなアプローチが展開されるということで、連日新聞やテレビに情報が流れていますが、このブログをご覧になっている方には是非とも基礎となる情報について、一緒に勉強してほしいです。世界地図を見ると、樺太の真ん中に線が引いてあったりして、どこが境界か分からない事を疑問に感じたことはありませんか?

@そもそも北方領土と言われるエリアにはアイヌ民族という先住民族が住んでいました。その存在は歴史から抹消されかけていますが、つまり、そのあたりの領土は遠い昔には日本のものでも、ロシアのものでもなかった、ということが出発点になります。(ここから血みどろの歴史が始まります)

ちなみに環境的には、樺太、択捉島あたり南千島は「なんとか住める」。
ウルップ島など北千島は「非常に住みにくい」土地です。

Aその後、江戸時代を通じて、「なんとなく」松前藩を軸に幕府との交流交易が進み、日本人も一定数が樺太に定着することになった。(樺太:日本侵入?

B19世紀の初頭、ロシアは「樺太は大陸の半島であって、もともとロシアの土地だ」と主張、樺太の日本人の町などに次々と攻撃をしかけ、侵入を開始する。19世紀は植民地の時代なので、武力を行使するのに正当性などあってもなくても良いような時代。幕府は兵力を増強し、対抗。1809年、間宮林蔵が樺太が島であることを確認、ロシアの主張を否定する証拠を固めています。(樺太:日本、ロシア侵入

C1855年、日本の開国にともない、「日ロ通好条約」締結。
以下、領土条文
第二条
 今より後日本国とロシア国との境「ヱトロプ」島と「ウルップ」島との間に在るへし
「ヱトロプ」全島は日本に属し「ウルップ」全島夫より北の方「クリル」諸島はロシアに属す
「カラフト」島に至りては日本国とロシア国との間において界を分たす是まで仕来の通たるへし

ロシアと日本が激しくぶつかった樺太以外に、択捉島とウルップ島の間に明確な境界を宣言しています。樺太については、「境界を分けないで、これまでのしきたりのとおりたるべし」、として何となく日本人が安心するような表現だが、実際には武力による占領が続き、まずは流刑地として樺太を使い始める。その後、ロシアは次々に要所に植民地を建設し、開発の速度で日本政府は大きく遅れをとりました。(樺太:日本、ロシア 南千島:日本 北千島:ロシア

D1875年、深刻化するロシア人と日本人の対立解消のため、千島列島と樺太の交換条約を締結。日本は最終的に樺太を放棄。(樺太:ロシア 千島全島:日本

E1904年、日ロ戦争。日本は辛くも勝利し、ポーツマス講和条約を締結。賠償金は1円も取れなかったが、樺太の南半分が日本領に。その後、ロシアも革命が起き、ソビエト連邦へ。
北樺太:ソ連 南樺太:日本 千島全島:日本

F1945年第二次世界大戦敗戦。サンフランシスコ講和条約
第二条(c)項
「日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。」
ソ連は、敗戦の混乱に乗じて、樺太、千島、四島の全てを占領したが、賠償金が取れないこと等を不服としてこの条約に調印しなかった。

翻訳が歯がゆいので原文を掲載。
(c) Japan renounces all right, title and claim to the Kurile Islands, and to that portion of Sakhalin and the islands adjacent to it over whichJapan acquired sovereignty as a consequence of the Treaty of Portsmouthof 5 September 1905.

これを見る限り、日本政府は千島列島を全て放棄しているように見えます。北方四島は南千島と呼んで、クリル(千島列島)じゃないんだ、と言ってますが、無理がないかな?まあ、文章では千島全部と解するのが妥当な気が致します。。。
北樺太:ソ連 南樺太:? 全千島:?

Gしかし、この条約には重大な問題が。それは、放棄した主権はどこに帰属するのか、全然書かれていない、ということです。つまり、日本政府は一旦は放棄しますと。しかし、誰の領有になるかは分かりません、ということです。ソ連は調印していないので、ソ連は日本の主権放棄を正面から主張することはできません。

Hヤルタ会談等、他国との協議を根拠にしていますが、日本に対して主張をするならば、正式に日本と領土条約を結ばなければなりません。つまり、一旦主権が消えた千島と樺太の南半分については、日本とロシアで、再度領土条約を結び直して、平和的な関係を再構築すべきではないか、というのが問題の本質なようです。

I領土条約を結ぶ時には、やはり平和的に締結された時の領土条約(ケンカで奪った訳ではない領土の取り決め)が、最優先に根拠とされて締結するのが流れです。あるいは、結び直さないならば、最後の平和条約が有効です。(樺太:ロシア 千島全島:日本

Jつまり、紛争を未然に防ぐべく締結された、千島樺太交換条約を根拠とするか、またはそれ以前の日ロ通好条約が、前提となって、決めるべきなのではないか?ということです。いずれにしろ南千島四島は渡せないはず。日本とロシアのみが当事者な問題なので、理路整然と何度も説明をするべき問題なようです。

K複雑ではっきりいって、国民の多くは何のことやら、という状態にもなってきていると思います。
ただし、今でも領土の状態は(北樺太:ソ連 南樺太:? 全千島:?)です。ときどき、ロシアは、まず日本はロシアの主権を認めろ、と言ってくるのはここに要因があります。一度認めたら、さあ、どうなるんでしょうね。

これが世界地図が変な理由です。早く四島に日本の主権が回復するといいですね。

しかし、領土問題のように厳密さが要求される問題について、どうしてこんなに中途半端な文章しか作らないのでしょうかね?対立させるために、わざと?
posted by RON at 15:53| Comment(0) | TrackBack(1) | 国土交通問題
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